「成績優秀な子」が低学年からやっている習慣って?
勉強ができる子、勉強を楽しめる子って、どのクラスにもいるものです。
我が子もそうなってほしいな、と思うと同時に、そんな「成績優秀な子」「賢い子」「勉強好きな子」と「そうでない子」の違いはどこにあるのか、ちょっと考えてみませんか?
実は、未就学や低学年の頃の生活習慣にその秘訣があるのでは、と分析するのは、中学受験塾「伸学会」の菊池代表。
多くの中学受験生や、中学受験を前提とした低学年の子どもたちを指導し合格に導いた実績を持ち、ご自身も中学受験経験者で開成中学校・高等学校ご出身の菊池代表が考える「賢い子どもの6つの習慣」をご紹介します。
Writer Profile
中学生の息子を育てているリケジョママ(理系女子)のLISAです。小学校受験、中学校受験を経験し、子どもの家庭教育の大切さを実感。私の経験が、園児・小学生の子育て中のママの参考になったらうれしいです。
シンプルな事実。「成績が悪いと勉強を楽しめない」
菊池代表いわく、「成績が悪いとなかなか勉強を楽しめない」とのこと。
これは誰しも思い当たることなのではないでしょうか。
楽しいことは何度もやりたくなりますし、繰り返すことでさらに得意になるという好循環が生まれます。菊池代表も「楽しめるようになるためには『できた』という経験があったほうがいい」とおっしゃっています。
さらに、中学受験塾で多くの子どもを指導した経験からこう話されています。
「4年生ぐらいの子どもを見ると、だいたい5年生、6年生で成績が順調に上がっていきそうだなとか、逆にこの子は伸びにくいだろうなという予測ができます。
なぜなら、『成績が伸びていく子がこういう能力を持っている』というのを私たちは知っているから」。
そこで、その「成績が伸びていく子が持っている能力」を深掘りし、6つの習慣として教えてくださいました。
順に見ていきましょう。
習慣1.調べる習慣。見本を親が示そう(スマホでOK)
6つの習慣のひとつめとして、菊池代表は「調べる習慣」があるかどうか、を重視します。
「調べる習慣は、一見地味ですが、成績がいい子と悪い子の大きな違いになります。例えば国語の文章に知らない言葉があったとき、すぐに調べる子と、そのままにしてしまう子がいますね。こうした子たちの差は、日々ただ生きているだけでどんどん開がっていってしまうんです。塾で授業を受けているかどうかは別として、日常生活で調べて『知識を吸収する子』と『放置する子』の差がどんどん積もり積もっていくんです」
確かに、分からないことをその都度調べられる子は力がつきそうです。
でもどうやって調べることを習慣化すればよいのでしょうか。
そこで、菊池代表はこう提言します。
「子どもは言われたことをそのとおりにするのはすごく苦手なんですが、人のまねをするのはすごく得意。だから親が調べ方の見本を見せてあげるといいですよ。
優しいお父さんお母さんほど、教えてあげてしまう。すると子どもは自分で調べる力が身につきません。
そうした子どもは一人のときは諦めたり、先延ばしにしたりするようになってしまいます。『後で』と思っても聞くのを忘れてしまったりします。
こうならないためには、なるべく早い段階で調べること、検索することを実践してみせます。例えば公園で名前を知らない鳥や植物を見かけたら、親がすぐスマホで調べて見せてあげましょう」
この方法なら、親自身が知らないことを質問された場合にも対応が簡単ですし、「一緒に調べる」だけで子どもの調べる力を伸ばすことにつながるなら一石二鳥ですね。
「自分も勉強好きではなかったし、勉強の見本になるなんて難しい…」と思っていた人も、スマホで調べて見せるだけでいいなら、肩の荷が下りるのではないでしょうか。
余裕があれば、家にある図鑑や百科事典、国語辞典など書籍からも調べて見せてあげれば、よりさまざまな情報ソースにあたれる子どもになりそうです。
携帯やインターネットの検索時は、エコな検索エンジンを使って話題を広げるのもいいですね。
習慣2.考える体験。「なんで?」は大切!
次に菊池代表が挙げるのが、「考える体験」。
「考えることを習慣にしてあげるということです。
私たちが教えていて困るのは、なんでもかんでも丸暗記しちゃう子。
真面目なんですが、『なんで?』という理由を考えずに丸暗記するから深い理解ができません。結果として、応用力がつかず、ひねった問題に対応できなくなってしまうのです。
本当の理解が伴っていないから、時間がたつと忘れてしまうことも多いです。
だから、日ごろから「なんで?」と考える習慣を大事にしてあげてほしいんです」
中学受験に暗記は大事。
でも、「勉強=暗記」ではない、と菊池代表はおっしゃっていて、学ぶということの本質的な意味を考えさせられます。
親にとって子どもの「なんで?なんで?」に対応するのは大変なこともあります。
家事に忙しいときなど、つい「なんででもいいでしょ」とか、「いいからそのとおりにしておきなさい」なんて言いたくなってしまいます。
でもここはぐっとこらえて、「なんで?なんで?」攻撃に対して、まずは「疑問を持てる子ども」だということを喜べるといいのかもしれません。
ちなみに筆者は、まずは「なんでだろうね?どう思う?」と一度子どもに考えさせる時間を作って時間を稼ぎ、落ち着いてからその内容を話し合うようにしていましたよ。
また、菊池代表によれば、
「考える力は高学年からでは身につけにくい。それまでのやり方を急に切り替えるのは子どもの負担も大きい。だから小さいうちから疑問を持ったら理由を考えることを習慣化しましょう。
答えは分かっても、その答えはなぜかをもう一段掘り下げることが重要」
とのこと。
棋士の藤井聡太さんも掘り下げて考える習慣があるそうで、そのことが今の大活躍につながっているのでしょう。
「なんで?」と聞かれたら、忙しくてもひとまずは「なんでだろうね!どう思う?」と聞き返してみましょう。
特別協力:中学受験専門塾「伸学会」代表 菊池洋匡さん
開成中学校・高等学校、慶応義塾大学法学部卒業。東京・自由が丘、目黒、中野で、「自ら伸びる力を育てる」を理念とした少人数制集団・個別指導の中学受験専門塾「伸学会」を運営。海外大学等の最新研究データや自身の15年以上の指導経験から得られる知見に基づいた、子どもの意欲を育てる学習指導に定評。著書多数。科学的視点から「しつけ」や「子育て」を紐解くYouTubeには、中学受験を目指す親以外でもファンが多い。
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