多くの中学受験生や、中学受験を前提とした低学年の子どもたちを指導し合格に導いた実績を持ち、ご自身も中学受験経験者で開成中学校・高等学校ご出身、という菊池さん。
菊池さんは、教育者兼経営者として、中学受験専門塾「伸学会」を主宰。
さまざまな情報発信を行っていらっしゃいます。
本シリーズの記事では、そんな菊池さんが考える「賢い子どもの6つの習慣」について、1つ目から5つ目までをご紹介してきました。今回は、いよいよ最後の6つ目です。
Writer Profile
中学生の息子を育てているリケジョママ(理系女子)のLISAです。小学校受験、中学校受験を経験し、子どもの家庭教育の大切さを実感。私の経験が、園児・小学生の子育て中のママの参考になったらうれしいです。
習慣6.なんでもいいから「熱中体験」を低学年までに
菊池代表が6つ目に挙げたのは、
「とにかく夢中になって何かを『やりこむ体験』を未就学児、低学年のうちにやらせておいてください」
ということでした。
なぜ熱中体験が重要なのでしょうか。
その問いに菊池代表はこう答えます。
「好きで夢中になっていると、調べる、考えることも苦にならずにやってくれます。
例えば虫が好きな子は、図鑑で虫の生態を理解しています。
興味、関心があると調べるのが当たり前になるうえ、好きなものがあると集中力も磨かれます。集中力のマックスが高い子ほど、勉強でも、マックスとは言わないまでも、そこそこの集中力を発揮できるんです」
確かに昆虫に限らず、恐竜好き、動物好きな子は図鑑を楽しそうにめくっていますね。
では、そうした理科系に興味がない子は成績アップの望みはないのでしょうか。
そうではなく、「子どもが今熱中できることなら何でもいい」と菊池代表はおっしゃいます。
「野球やサッカーでも、熱中体験がある子は強かったです。
上達方法を調べ、練習して体に覚えさせる。
この何度も練習する経験は、算数や理科でも『できるようになるまでやりこむ力』として発揮されます」
とはいえさすがにゲームに夢中なのはダメ?
…と思いますが、熱中する対象はゲームでもOKとのこと。
「ゲームはルールを決めればいいんです。
例えば1日1時間と決めたら、その1時間が最高の時間になるように、制限時間外に攻略法を調べるとか工夫をしますよね。
飽きずに何年もやり続けることはないでしょうから、飽きるまで全力でやらせるほうが効果は大きいのではないでしょうか」
そう聞くと、確かに好きなことなら夢中になって続けられるし、そこで培った集中力や調べる力が勉強に役立ちそうという気もしてきます。
実際、筆者の知人でも、大河ドラマをきっかけに戦国武将好きになり、日本史はもちろんのこと、そこから日本の地理や武具の製造方法にまで興味の対象が広がった人がいます。
「武将オタク」のような人でしたが、大きくなってからはバランスよく勉強し、有名大学に進学しました。
まとめ:ちょっとした親の姿勢/考え方で、我が子はグンと賢く!
菊池代表がおっしゃる6つの習慣を、前々回記事の(1)、前回記事の(2)から通してまとめると、
習慣1.調べる習慣。見本を親が示そう(スマホでOK)
習慣2.考える体験。「なんで?」は大切!
習慣3.10分でいいから、家庭学習の習慣を
習慣4.読書の習慣をつける
習慣5.五感を使った体験を(自然教室なども有効)
習慣6.なんでもいいから「熱中体験」を低学年までに
となります。
6つすべてをいっぺんにかなえようとすると大変かもしれませんが、でも、
「質問されたら一緒に調べてみよう」
「せっかくサッカーに夢中になっているから続けさせてみよう」
「今夢中になっていることを大切に、もっと情報/環境を与えてあげよう」
「勉強だけじゃなく、何でも熱中することが大事なんだ」
など、親として、気持ちを切り替えて、子どものよいところに着目することができるようになるのではないでしょうか。
子も親も、まずはできること・楽しいことから始めてみてるのが大切。
未就学や低学年の頃から少しずつ、この6つの習慣を身につけていけば、いざ勉強に本腰を入れる時期になったときに役立ちそうですね。
特別協力:中学受験専門塾「伸学会」代表 菊池洋匡さん
開成中学校・高等学校、慶応義塾大学法学部卒業。東京・自由が丘、目黒、中野で、「自ら伸びる力を育てる」を理念とした少人数制集団・個別指導の中学受験専門塾「伸学会」を運営。海外大学等の最新研究データや自身の15年以上の指導経験から得られる知見に基づいた、子どもの意欲を育てる学習指導に定評。著書多数。科学的視点から「しつけ」や「子育て」を紐解くYouTubeには、中学受験を目指す親以外でもファンが多い。
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